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マンガ

遊戯王
(高橋和希/週刊少年ジャンプ連載 全38巻)
ストーリー
 いじめられっ子の中学生、武藤遊戯は大のゲーム好き。ある日、祖父からプレゼントされた古代エジプトの秘宝、バラ
バラになっていた千年パズルを完成させる。その瞬間、遊戯の中に「もう一人の遊戯」が生まれた!
 そしてそれは同時に、七つの千年アイテムを巡る戦いの始まりでもあった。千年リングの所持者であり、遊戯と同じく
闇人格をもつ少年、獏良了との戦い。千年眼(ミレニアム ・ アイ)を持つカードゲーム「マジック&ウィザーズ」の創造
者、ペガサスとの死闘。三枚の「神」のカードと「決闘王」の称号を賭けたバトルシティ大会……。これらの戦いの中で、
「もう一人の遊戯」の正体も判明する。その正体は三千年前の千年パズルの所持者、古代エジプトの歴史から抹消さ
れた「名も無きファラオ」だった。封印された彼の記憶の中には一体何があるのか? そして、二人の遊戯の運命は?
 
 仮にも「決闘王」を名乗っている以上、この漫画を紹介しない訳にはいかないでしょう(笑)。巷では「ストーリーが荒唐
無稽で、あって無いようなものだ」だの「カードを売るための宣伝漫画」だの色々と言われていましたが、普通の漫画と
して見ても充分面白いです。絵は文句無く上手いし、ジャンプの三原則である「友情 ・ 努力 ・ 勝利」を忠実に守ってま
すしね。
 まあストーリーは確かに強引ですが(笑)、それも許容範囲内です。遊戯の親友の城之内克也や、遊戯の宿命のライ
バル・海馬瀬人など、魅力的なキャラクターも揃ってます。取りあえず、寛大な心で読んでみてください。

ONE PIECE
(尾田栄一郎/週刊少年ジャンプ連載中 54巻〜)
ストーリ−
 富、名声、力。この世の全てを手に入れた男、海賊王ゴールド ・ ロジャー。彼が残した大秘宝「ワンピース」を求め、
多くの海賊たちが争う大海賊時代に、また一人の海賊が名乗りをあげた。彼の名はモンキー ・ D ・ ルフィ。後に「麦わ
らのルフィ」という異名で呼ばれる、ゴムゴムの実を食べたゴム人間である。
 海賊王になるという夢を抱き、世界で一番偉大な海「偉大なる航路(グランドライン)」へと向かうルフィの元に、仲間
たちが次々と集う。
 三刀流の剣豪ロロノア ・ ゾロ。お金にうるさい天才航海士ナミ。力は無いけど頭はある、手先も器用な狙撃手ウソッ
プ。料理の腕も脚力も超一流、ラブラブコックのサンジ。一癖も二癖もある連中たちを率い、ついにルフィ海賊団は「偉
大なる航路」に突入する。ヒトヒトの実を食べた青鼻のトナカイ医師トニートニー ・ チョッパー、犯罪会社バロックワーク
スの元副社長にして考古学者の美女ニコ ・ ロビン、頼りになるサイボーグ船大工フランキー、ヨミヨミの実の力で蘇っ
た陽気な骨人間ブルック等を加え、ルフィ海賊団の冒険はまだまだ続く……。

 少年漫画の王道を突き進む、ジャンプの看板漫画。明快なストーリー、理屈ぬきでカッコいいキャラたち、冷酷非道な
悪役、世界の影に蠢く謎……。見ている者を退屈させない、マンガの楽しさを教えてくれる大傑作です。これを読まずし
て少年漫画を語るなかれ!

アイシールド21
(稲垣理一郎・村田雄介/週刊少年ジャンプ連載 34巻〜)
ストーリー
 泥門高校一年、小早川瀬那(セナ)。気弱な性格が災いして、不良たちのパシリとしてこき使われていたが、その結
果、40ヤード(36m)走4秒2という驚異的な走力を身に付けていた。そして、本人でさえ気づいていなかったその素
質に目を付けたアメフト部主将 ・ 蛭魔妖一の陰謀(笑)によって、謎のヒーロー ・ アイシールド21としてアメフトデビュ
ーする事に。
 始めは乗り気でなかったセナだが、初勝利の快感、ライバル ・ 進清十郎の出現と彼との戦いが、セナを一人前のア
メフトプレイヤーに変えていく。全国大会クリスマスボウルを目指し、泥門高校アメフト部 ・ デビルバッツの戦いが始ま
った!

 ジャンプ感想サイトは多いのですが、このマンガを悪く言っているサイトはほとんどありません。実際、このマンガは面
白い。キャラが素晴らしい。ストーリーが破綻していない。展開に無駄が無い。欠点が見つからないのです。
 コミックスも書下ろしが多く、サービス精神満点。少年マンガ、いや、日本マンガ界の歴史に名を残す作品です。アメ
フトに興味が無い人も絶対に楽しめますので、見てください。

仮面ライダーSPRITS
(石ノ森章太郎・村枝賢一/月刊マガジンZ連載中 16巻〜)
ストーリー
 アメリカ・ニューヨーク。深夜のニューヨークを支配する殺人鬼の正体を追う男、F B I の秘密捜査官、滝和也。かつて
仮面ライダー1号 ・ 2号と共にショッカーと戦った勇者だ。
 彼の追っていた殺人鬼の正体は、ショッカーの残党だった。窮地に落ちた滝を救ったのは、彼の旧友にして人類の自
由を守るために戦う男、仮面ライダー1号、本郷猛だった!
 摩天楼を舞台に繰り広げられるライダーと怪人の死闘は、ライダーの勝利に終わった。同じ頃、世界各地で次々と起
こる怪事件。そして、それを引き起こす異形の者たちに立ち向かう九つの影。1号、2号、V3、ライダーマン、X、アマゾ
ン、ストロンガー、スカイライダー、スーパー1……。九人の仮面ライダーは知る。かつてない程の巨大な悪が蠢いてい
る事を。そして、戦い続ける彼らの前に最強の敵が、いや、「十人目」となる運命の男が現れた……!

 故 ・ 石ノ森章太郎氏の魂を受け継ぎ、村枝氏が熱筆した作品。雑誌展開のみの仮面ライダーで、テレビも特番のみ
の放送だった為、その物語が充分に語られなかった十番目の仮面ライダー、「仮面ライダーZX」の物語です。
 当時、テレビ放送を見ていた「ライダー世代」には嬉しいサービスが多く仕掛けてある(滝和也の登場、明らかにされ
たライダーマン生存の謎、など)。当然、普通のマンガとして見ても面白い。「仮面ライダー」という名前に心躍らされた
経験のある人なら、ぜひ読むべし。

カードキャプターさくら
(CLAMP/なかよし連載 全12巻)
ストーリー
 小学四年生の少女、木之本桜は、ある日、家の書庫に置かれていた古い本を開ける。その本には大魔術師クロ
ウ ・ リードが創り上げた魔力を持ったカード、「クロウカード」が封印されていたのだが、いつの間にか無くなっていたの
だ。
 かつてクロウ ・ リードは言った。「クロウカードの封印が解かれる時、この世に災いがおどすれる」と。その言葉を実
現するかのように、実体化して暴れるクロウカードたち。彼らを捕まえ、封印するため、封印の獣 ・ ケルベロス(ケロち
ゃん)は、魔力の素質を持つさくらをクロウカードを捕まえるカードキャプターに選んだ。
 ケロちゃんの期待に応え、次々とカードを捕まえるさくらの前に、クロウ ・ リードの血を引く少年、李小狼(リ シャオラ
ン)が現れた。クロウカードはクロウ ・ リードの血縁である自分が封印する、とさくらをライバル視する小狼。はてさて、
どうなることやら……。

 CLAMP先生(ちなみにCLAMPとは個人名ではなく、四人の女性のグループ名)の作品はどれも傑作ぞろいで、私
もファンの一人。この作品は数あるCLAMP作品の中でも、トップクラスの完成度だと思っています。キャラ、絵、ストー
リー共に高い水準で、CLAMP作品恒例の「どんでん返し」もあり、大人から子供まで楽しめる、マンガの王道を保って
います。
 CLAMP作品をまだ読んだ事がない、という人は、この作品から読むのがいいかもしれません。本を買う時、男性は
少し恥ずかしいかもしれませんが(笑)、一時の恥をかく価値は充分あり!

鋼の錬金術師
(荒川 弘/月刊少年ガンガン連載中 22巻〜)
ストーリー
 「軍の狗」と呼ばれる国家錬金術師の中でも有名な兄弟、エドワード ・ エルリックとアルフォンス ・ エルリック。彼ら
はかつて、死んだ母親を蘇らせるため、禁断の人体錬成を行い、エドワードは左足を、アルフォンスは肉体を失った。エ
ドワードは弟を助けるため、今度は右腕を犠牲にして、アルフォンスの魂を錬成し、鎧に定着させた。そしてエドワード
は失った部分を機械鎧(オートメイル)とし、失った肉体を蘇らせるために錬金術の秘宝、『賢者の石』を求めて旅に出
る。人は彼を「鋼の錬金術師」と呼ぶ……。
 だが、兄弟の前には様々な敵が立ちはだかる。故国を軍に滅ぼされ、国家錬金術師への復讐を誓う「傷の男」(スカ
ー)。そして、世界の影に蠢き、騒乱を引き起こす謎の人造人間(ホムンクルス)たち。果たして、エルリック兄弟の望み
が適う日は来るのだろうか?

 ガンダムSEEDの後番組として、TVアニメにもなったこの作品。ファンタジー系の漫画にありがちな「難しい設定」や
「読者を置いてけぼりの魔法法則」などはあまり無く、非常に分かりやすい内容になっています。
 キャラクター、ストーリーも少年漫画の王道を突っ走っており、誰が読んでも楽しめる作品として完成しています。それ
でいて重いテーマも背負っており、上手くまとめてあります。取り合えず「本当にカッコいい大人」や「かわいいだけじゃ
ない魅力的な女性」、そして「筋肉モリモリでゴツイ顔してるけど、実はとってもナイスガイな錬金術師」を見たい方はぜ
ひ(笑)。
 作者の荒川氏は非常にサービス精神が豊かな人物で、単行本には必ず四コマ漫画を書き下ろしており、こちらも傑
作。私は第3巻の四コマ漫画を読んで、ロイ・マスタング大佐に惚れました(理由は読んでもらえれば分かると思いま
す。笑)。カバー裏も必見。

るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚−
(和月伸宏/週刊少年ジャンプ連載 全28巻)
ストーリー
 幕末の動乱期、渦中であった京都に「人斬り抜刀斎」と呼ばれる志士がいた。修羅さながらに人を斬り、新時代「明
治」を切り拓いたその男は、動乱の終結と共にその姿を消した……。
 明治十一年。抜刀斎は東京に現れた。幕末の動乱後、自らが人を殺す事を禁じた彼は、逆刃刀を腰に抱く流浪人の
剣客、緋村剣心と名乗り、旅をしていた。そして、「剣術小町」と呼ばれる美少女、神谷薫の窮地を助け、自分の名を騙
る辻斬りを退治した事を切っ掛けに、薫の実家である神谷活心流の道場に腰を落ち着ける事になった。
 やがて剣心の周りには、様々な人間たちが集まってくる。両親を亡くしながらも誇り高く生きる士族の少年、明神弥
彦。かつて新政府軍に裏切られた悲劇の部隊「赤報隊」の生き残り、相良左之助。幕末の動乱期、戦う機会さえ与え
られず、野に下った隠密御庭番衆の頭、四乃森蒼紫。維新志士の宿敵、元「新撰組」三番隊組長、斎藤一。「力こそ正
義」という確固たる信念と野望を抱き、この国の覇権を狙う幕末の亡霊、志々雄真実。そして、幕末時に剣心に姉を殺
され、復讐を誓う上海黒社会の首領、雪代縁。彼らとの出会いや戦いを経て、剣心がたどり着いた「人斬り」の過去を
償う答とは?

 「ドラゴンボール」「スラムダンク」などの看板連載陣が次々と終了し、掲載漫画のレベル、発行部数共に下落。暗黒
期を迎えた週刊少年ジャンプを支えた名作。不殺(ころさず)のヒーローとしては、最も知名度が高いのではないでしょ
うか?
 幕末の動乱を経た明治初期を舞台としているこの作品には、歴史上の有名人物も数多く出てきます(大久保利通、
斎藤一など)。時代劇大好き、日本史大好きな私にとっては、まさにツボな作品でした。また、作品の所々で作者の和
月氏のオタク趣味も発揮されており、元ネタの推測などでも楽しませてもらいました(笑)。
 キャラクターの中では主役の剣心より、この作品最大の悪役、志々雄真実が好きです。作者の和月氏自身もお気に
入りだというこのキャラ、髑髏の山を行く最後のシーンはこの作品の中でも屈指の名シーンだと思います。ちなみに彼
は「私の好きな悪役 ・ 敵役キャラ」ベスト10の一人でもあります(ってどうでもいいか)。
 人誅編で終わったのは、実に残念(いや、人誅編も面白かったけど)。全キャラ登場予定だった「北海道編」もやって
ほしかった……。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険
(三条陸・稲田浩司/週刊少年ジャンプ連載 全37巻)
ストーリー
 南海の果てに浮かぶ孤島、デルムリン島。15年前、勇者によって魔王が倒された後、魔王の支配を逃れたモンスタ
ーたちは、人里離れたこの島で平和に暮らしていた。
 この島に住むただ一人の『人間』ダイは、勇者に憧れる正義感の強い少年だ。友達のゴメちゃん(ゴールデンメタルス
ライム)と一緒に、今日も勇者ゴッコに熱中している。彼には不思議な力があった。感情が高ぶると額に龍の紋章が浮
かび、絶大な戦闘力を発揮するのだ。その力で、島を訪れたパプニカ王国の姫レオナを救い、二人は友達となった。
 だが、平和な日々は突如破られた。魔王ハドラーが復活したのだ。打倒魔王のため、ダイは島を訪れた「勇者の家庭
教師」アバン(実はかつてハドラーを倒した勇者)に弟子入りする。修行は順調に進むが、アバンは彼の命を狙い、島を
襲ってきたハドラーとの戦いで命を落とす。師アバンの志を継ぎ、ハドラーの背後にいる真の邪悪、大魔王バーンを倒
すため、ダイは兄弟子のポップと共に旅立った。
 魔軍司令ハドラーはダイ抹殺の命を、配下の六大軍団に下す。不死騎団、氷炎魔団、妖魔士団、百獣魔団、魔影軍
団、超竜軍団の恐るべきモンスターたちが、そしてそれぞれの軍団を統括する最強の軍団長が、ダイたちを襲う。
 だが、ダイたちにも、旅の途中で新たな仲間が加わる。同じアバンの弟子である僧侶戦士の少女マァム(後に武道家
に転職)。元百獣魔団の軍団長であり、ダイとの戦いで武人として誇りを取り戻した獣王クロコダイン。アバンの一番弟
子でありながら、彼を父の仇と狙っていた不死騎団の軍団長、魔剣戦士ヒュンケル。彼らとの出会いや戦いを経て、ダ
イとポップは一人前の勇者、魔法使いとして成長していく。そして長き旅路の果て、天空を飛ぶ大魔宮バーンパレスに
て、地上の破壊を企む大魔王バーンとの最終決戦が始まる!

 日本TVゲーム史上にその名を残すスーパーRPG「ドラゴンクエスト」を基盤として作られた、ジャンプの黄金期を支え
た傑作漫画の一つ。ドラクエの原作者である堀井雄二氏も、特別監修として参加しています。
 とはいっても、この漫画とゲームのドラクエとはほとんど関係ありません。使われる呪文やモンスター、文化レベルな
どは同じですが、それ以外の設定(竜の騎士、天・地・魔界の関係など)は作品独自のものとなっています。つまりこの
作品は、ドラクエの世界観のみを継承して作られた、完全なオリジナル作品なのです(ちょっと複雑な言い方ですが)。
 では内容はどうか、というと、これは『傑作』の一言。ドラクエというピッグネームに負ける事無く、いや、ある意味本家
ドラクエをも超えた、素晴らしい物語を生み出しています。
 特に秀逸なのがキャラクターたち。ダイたち勇者側はもちろん、敵である魔王軍の面々も、実に魅力的な連中が揃っ
ています。例えば、かつての魔王である魔軍司令ハドラーは、登場時は勝つ為には手段を選ばぬ卑劣漢だったのです
が、ダイたちとの戦いを経て、真の武人として成長し、「もう一人の主人公」ともいえる存在感を出しています。終盤での
ダイとの一騎打ちは、作中ベストバトルの一つとして、ファンからの評価も高いです。
 ラスボスである大魔王バーンも、多くの謎と絶大な戦闘力を秘めた最強の敵として、ダイたちを幾度となく窮地に追い
込みました。バーンのように智と力を兼ね備えたラスボスというのは、実は意外と少ないのです。最終決戦では、ゴメち
ゃんが起こした奇跡がなければ、彼の完全勝利だったでしょう。ちなみに彼とハドラーは、「るろうに剣心」の志々雄真
実と同様、「私の好きな悪役 ・ 敵役キャラ」ベスト10の一人です。
 もちろん勇者側のキャラたちも忘れてはいけません。主人公のダイはもちろん、ゴメちゃん、アバン、ポップ、マァム、
レオナ、ヒュンケル、クロコダイン、チウ……。いずれも素晴らしいキャラである。一人一人について、じっくり語りたいの
ですが、ここは「ダイの大冒険」のHPではないので断念します(笑)。まあ、ここで私の紹介文など読んでいる暇があっ
たら、本屋(古本屋でもOK)へダッシュして、この漫画を読んでください。一人でも多くの人に読んでほしい漫画です。

武装錬金
(和月伸宏/週刊少年ジャンプ連載 全10巻)
ストーリー
 高校二年生の武藤カズキはある日、廃工場で襲われている女学生を助けようとして、ヘビの怪物に殺されてしまう。
しかし翌朝、カズキは生きていた……?
 何が何だか分からないカズキの前に、再びヘビの怪物が現われる。怪物の名称はホムンクルス。錬金術によって生
み出された、人を食らう異形の化物。逃げるカズキだが、妹まひろがホムンクルスに食われてしまった。彼女を助ける
ために戦うカズキ。カズキの体内には、死んだ彼を蘇らせた錬金術の産物、核鉄(かくがね)が埋め込まれていた。闘
争本能によって核鉄を作動させるカズキ。それこそが核鉄の本来の用途。その名称は、
「武装錬金!」
 ホムンクルスを撃破し、まひろを助けたカズキの前に、昨晩の女学生が現われる。彼女の名は津村斗貴子。カズキ
たちの住む町に潜むホムンクルスを倒すためにやって来た『錬金の戦士』だ。大切な人たちを守るため、カズキも彼女
と共に戦う事を決意。暗躍するホムンクルスとその創造主を追って、カズキと斗貴子の戦いが始まった!

 十週打ち切り続出だった2003年度の週刊少年ジャンプの新連載陣で唯一、連載一周年を突破した作品。ストーリ
ー構成には脚本家・小説家の黒崎薫氏も協力しています。連載終了後の2006年秋にはアニメ化されました。連載が
終わってからアニメ化された、ジャンプでも珍しい作品です。
 ジャンプでの連載は残念ながら打ち切られてしまいましたが、マンガとしての完成度は非常に高いです。錬金術の産
物を巡る骨太なストーリーと、脳汁がピューピュー出ているギャグ(笑)が見事に混ざり合っており、楽しい世界を作り出
しています。
 キャラクターも秀逸。嫌味がまったく無い主人公カズキ、和月流バトルヒロインの集大成である斗貴子さん(「さん」付
けはファンの義務です)、そしてカズキの最大のライバルであるパピヨンこと蝶野攻爵など、いずれもに生き生きとして
おり、読者を引き付けるものを持っています。変態度も高いけど(苦笑)。

銀魂
(空知英秋/週刊少年ジャンプ連載中 28巻〜)
ストーリー
 天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人たちが江戸に降りて二十年。天人の圧倒的な力によって侍たちは駆逐され、この
国を統治していた幕府は天人の傀儡政権と成り果てた。職を、剣を、誇りさえも奪われた侍たち。だがそんな中、侍の
誇りと自分の武士道を貫く男がいた。彼の名は坂田銀時。この物語は、江戸の平和を乱す悪と戦う侍の姿を描いた感
動のストーリーで……あるわけがなかったのである。
 どんな時でもマイペースで生きる銀時の周りには奇人変人怪人超人、警察、忍者、ストーカーなど様々な人たちが集
うようになり、ボケとツッコミが江戸の町を賑わせる日々が続くのであった。たまにはシリアスなバトルもあるけどね。

 この漫画、当初は十週打ち切り候補であり、連載当初は掲載位置がかなり下まで落ちました。しかし単行本が驚異
的な売り上げを見せ、本編も勢いが加速。ジャンプ屈指の人気作品になったのです。
 個性的過ぎるまでに個性的な登場人物、掲載レベルぎりぎりなギャグ、そして独特なセリフ回し。なぜオッサンキャラ
が輝いており、どちらかといえば年長者向けのマンガです。その一方でギャグだけでなくシリアスなストーリーにも定評
があり、親子の愛情や人間の絆を見事に描いています。
 幕末を設定のモチーフにしているので、幕末ファンには馴染みのある名称やキャラクターが出てきます。そっち方面の
人たちまで引き込むとは、空知先生、やりますねえ(笑)。

ハヤテのごとく!
(畑健二郎/週刊少年サンデー連載中 19巻〜)
ストーリー
 高校1年生の少年、綾崎ハヤテは、ギャンブル好きなダメ両親を支えるため、バイト三昧の日々を送っていた。しかし
ある年のクリスマスイブ、1億5000万円の借金を作った両親は、ハヤテに全ての借金を押し付けて失踪。ハヤテはヤ
クザに追い回されることになる。
 困ったハヤテは、公園で知り合った少女を誘拐して身代金を取ろうとするが、恋の告白と勘違いされるような脅し文
句を少女に言ってしまい、その上、本当に少女を誘拐しようとした連中から助けてしまった。ハヤテが助けた少女は三
千院財閥の令嬢、三千院ナギだった。ハヤテを好きになったナギは彼を執事として雇い、借金も肩代わりした。ナギに
感謝したハヤテは、彼女を守る為に誠心誠意仕える事を決意する。
 しかし、彼の周りにはなぜか美少女が集まり、そのほとんどが優しいハヤテに好意を持つようになる。パロディネタの
ギャグの嵐が吹き荒れる中、ハヤテとナギの関係は進展するのか?

 可愛らしい絵柄とは裏腹に、パロディギャグは時に秀逸、時に辛辣。サンデー編集部に怒られないかな?と心配して
しまうほどのネタもあり、違う意味で読者をハラハラさせるマンガです。
 しかし単なるパロディマンガではなく、起承転結というマンガの基本は守られているし、登場人物たちの恋愛模様もス
ローペースですが誤魔化さずに描いています。まあウヤムヤになりそうな気配もありますが(笑)。
 作者の畑先生は非常にサービス精神が旺盛な方で、サンデーのHPの『まんが家バックステージ』は毎週掲載、単
行本の書き下ろしにも力を入れています。ある意味、漫画家の鏡の様な人物。これからも応援します。

蒼天航路
(李學仁・王欣太/モーニング連載 全36巻)
ストーリー
 中国、後漢末期。黄巾の乱から始まった戦乱の中で、多くの英雄達が覇が競い合った時代。その英雄達の中で最も
人に興味を抱き、最も覇に近づいた男、曹操孟徳。これは「乱世の奸雄」と呼ばれ、後世では悪役として扱われる事が
多い彼を主人公として、三国志の時代を描いた作品である。

 今まで紹介した作品とはちょっと雰囲気が違いますが、この漫画も私が好きな作品の一つです。しかし、この漫画を
読む前に小説なり他の方が描いた漫画なりで「三国志」の基礎知識を得ておいてください(横山光輝先生の「三国志」
がオススメです)。そうしないと、この作品の魅力がほとんど分かりませんので。
 ストーリーで説明したとおり、この漫画は他の作品では悪役やライバルキャラとして扱われる事が多い曹操を主人公
にしています(私は悪役の曹操が好きなのですが(笑))。政治、軍事、文学、果ては酒の醸造法にまで関わり、後世
に多大な影響を与えた「破格の人」曹操ですが、その評価は低く、「三国志演義」の主人公となった劉備の敵という事
もあり、嫌われていました。今でも曹操が嫌いという人は多いかもしれません。曹操ファンとしては残念です。
 そんな扱い難い男を主人公にしたこの作品ですが、破天荒な曹操の魅力を十二分に伝えています。青年誌に連載さ
れていたので残酷な殺戮シーンや性描写もありますが、それもこの漫画の個性として生きている。王欣太先生の圧倒
的な画力に、読者は魅入られるしかありません。
 曹操以外のキャラにも手を抜いていません。従来の英雄像とはまったく違う劉備、虎と遊びながら豪快に悩む孫権、
規格外の強さと純粋さを併せ持つ呂布、皇帝になる前に皇帝に相応しい人間になろうとした袁紹、色々な意味でとん
でもない奴になった孔明(笑)など、どのキャラも素晴らしいまでの個性を発揮しています。特に関羽は、最終巻は彼が
主役と思わせる程の大活躍と見事な最期。関羽を追い詰める呉の武将たちもいいキャラばかりので、私は両方に感情
移入してしまい、ハラハラしました。
 この漫画は曹操の死で終わっています。それは曹操を主人公にした作品としては正しいのですが、このキャラたちに
よる三国志の続きも見たかったです。清々しいような、残念なような。

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